ワイキキの夜は濃密でそのベールのような重い空気を逃れて私たちは良く深夜にタンタラスの丘までドライブした。
私たちは4人の遊び友達だった。約束する訳ではないが行きつけの店に行くとたいていいつも揃っていた。
飲み物を頼むと持ってきてくれたウェイターにチップと一緒に3ドルほど払う。
気が向いたらその遊び友達にもおごったり、
おごられたりそうして、夜が更けるまでとりとめも無く飲み、
話した。その夜、メンバーの一人がいつになく襟のあるシャツを着てきた。
洗いざらしたTシャツと短パン以外の彼を見るのはほとんど初めてだった。
彼は私たち3人がすでに盛り上がっているテーブルにやってきて「遅れたから一杯おごるよ」といって各々の飲み物を追加オーダーした。
ウェイトレスが来ると彼は飲み物を受け取りながらクレジットカード現金化を渡した。
やはり何かが違う、クレジットカード 現金化でここの払いをするなんて、
たまに見る観光客意外では見たことがない。
その後彼はタンタラスの丘に皆を誘ったのだ。
良く来るコースだったが3人が盛り上がり彼一人だけは沈黙のままハンドルを握っていた。
しばらく丘の頂上で火照った頭を冷やし、小一時間もいた後でまた街に取って返すことになった。
帰路の道中やはり彼は無口だったが戻ってきた店の前で言った。
「婚約したんだ、しばらくここには来れない」それはすばらしいニュースだったが、
何か楽しいひとときが終わる予感を皆一様に感じていた。
でもそれもつかの間、私たちは彼を車から引きづり降ろし、
朝までむりやりつきあわせた。最後に彼はまた飲み物を皆におごると言った。
しかし今度はクレジットカード現金化ではなかった。
くしゃくしゃのいつものドル紙幣だった。
